目次 [ close ]
  1. 結論:インボイス制度に完全対応するなら「自動判定機能」を備えたクラウド会計ソフトが必須
  2. インボイス制度に対応する会計ソフトの選び方:3つのチェックポイント
    1. 1. 免税事業者からの仕訳入力(経過措置の自動判定・自動適用機能)
    2. 2. 適格請求書発行事業者番号(登録番号)の自動照合・検証機能
    3. 3. 電子帳簿保存法との連携(スキャナ保存や電子取引データの保存)
  3. 【徹底比較】インボイス制度対応のおすすめクラウド会計ソフト3選
    1. 1. freee会計(自動判定と経過措置の処理に強み)
    2. 2. マネーフォワード クラウド会計(仕訳帳ベースの柔軟な税区分設定)
    3. 3. 弥生会計 Next(圧倒的な低コストと初心者向けの操作性)
  4. 2026年10月「経過措置70%への引き下げ」の実務影響と経理の対応策
    1. 実質的な税負担の増加
    2. 仕訳ミスの急増リスク
    3. 会計ソフトでの具体的な対策
  5. インボイス対応で会計ソフトを導入・移行する手順
    1. STEP 1:自社の課税形式と取引先の整理
    2. STEP 2:アカウント開設と取引先マスタの整備
    3. STEP 3:各種データ連携と実務フローの確立
  6. 経過措置の移行に向けた経理
  7. まとめ:自社の事業規模と実務フローに合わせた会計ソフト選びを
  8. インボイス制度対応の会計ソフトに関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1: 免税事業者からの請求書はどのように仕訳すればよいですか?
    2. Q2: 簡易課税制度を選択している場合も、経過措置の判定は必要ですか?
    3. Q3: 適格請求書発行事業者の登録番号は毎回手動で国税庁サイトに確認しに行く必要がありますか?
  9. あわせて読みたい

結論:インボイス制度に完全対応するなら「自動判定機能」を備えたクラウド会計ソフトが必須

インボイス制度が開始されてから経理の実務フローも定着しつつありますが、次に控える大きな変更点が「経過措置のステップ移行」です。2026年10月1日からは、免税事業者からの仕入れに係る税額控除の割合が80%から70%へと引き下げられます。

この「経過措置70%への引き下げ」という実務上の大きな節目を見据え、今選ぶべきインボイス制度対応の会計ソフトの選び方を経理実務目線で徹底解説します。主要なクラウド会計ソフトである「freee会計」「マネーフォワード クラウド会計」「弥生会計 Next」の特徴を比較し、自社に最適なソフトの選び方を導き出します。料金体系やキャンペーンはプランや時期によって変動する場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

インボイス制度に対応する会計ソフトの選び方:3つのチェックポイント

経理実務において、インボイス制度にスムーズに対応するために会計ソフトを選ぶ際の基準を3つに分けて解説します。

1. 免税事業者からの仕訳入力(経過措置の自動判定・自動適用機能)

インボイス制度では、適格請求書発行事業者以外の免税事業者等からの仕入れであっても、一定期間は仕入税額相当額の一定割合を控除できる「経過措置」が設けられています。具体的には、制度開始から3年間(2023年10月1日〜2026年9月30日)は「80%控除」、その後2年間(2026年10月1日〜2028年9月30日)は「70%控除」、さらに2028年10月1日〜2030年9月30日は「50%控除」、2030年10月1日〜2031年9月30日は「30%控除」が可能です。

会計ソフトを選ぶ際は、取引日(日付)を入力するだけで、システムが自動的に「控除80%」または「控除70%」の税区分を適用してくれる機能が必須です。これが手動選択になると、経理担当者の作業負担が増えるだけでなく、入力ミスの原因になります。

2. 適格請求書発行事業者番号(登録番号)の自動照合・検証機能

請求書に記載された登録番号(Tから始まる13桁の番号)が正しいものか、また実在する事業者であるかを検証する実務は非常に手間がかかります。優秀な会計ソフトは、OCR機能で領収書や請求書を読み取る際、登録番号を自動検出して国税庁の適格請求書発行事業者公表システムとAPI連携し、登録状態が「有効」であるかを自動検証します。この機能があれば、手動で国税庁のサイトに検索しに行く手間を完全に削減できます。

3. 電子帳簿保存法との連携(スキャナ保存や電子取引データの保存)

インボイス制度への対応と切っても切り離せないのが「電子帳簿保存法(電帳法)」です。インボイス(適格請求書)を電子データで受け取った場合、電帳法の要件を満たした形で保存する必要があります。会計ソフト自体が電子帳簿保存法の「電子取引」や「スキャナ保存」に対応している、あるいは同じベンダーが提供する証憑保存ストレージとシームレスにデータ連携できるソフトを選ぶことで、法令遵守と経理業務の一元管理が可能になります。

【徹底比較】インボイス制度対応のおすすめクラウド会計ソフト3選

主要な3つのクラウド会計ソフトの特徴と、インボイス対応における強み、メリット・デメリットを詳細に比較します。

1. freee会計(自動判定と経過措置の処理に強み)

freee会計は、仕訳の知識が薄い初心者でも感覚的に使える「取引入力」という独自の入力方式を採用しています。インボイス対応においても、登録番号の検証から経過措置の適用まで自動化されている点が強みです。

  • 自動判定の使いやすさ:請求書をスキャンまたはアップロードすると、OCR機能で登録番号が自動で抽出され、有効性が確認されます。さらに、免税事業者からの仕入れであれば、取引日を基に自動で経過措置税区分(80%控除、または2026年10月以降の70%控除)をセットしてくれます。
  • データ連携のシームレスさ:「freeeファイルボックス」と連携し、電子取引データの保存要件も一元管理。仕訳と証憑がダイレクトに紐付くため、監査対応も非常にスムーズです。
  • メリット:スマホアプリのOCR精度が高く、経費精算から領収書の登録までがスマホ一台で完結するため、営業担当者が多い会社や外回りの多いビジネスに最適です。
  • デメリット:従来の複式簿記の入力(借方・貸方の振替伝票形式)に慣れている経理担当者にとっては、独自のユーザーインターフェースに慣れるまで少し時間がかかる場合があります。
  • ターゲット:経理初心者、個人事業主、設立間もないスタートアップ企業、スマホ主体の業務フローを構築したい事業者。

まずは無料でお試し【freee会計】
インボイス対応の会計ソフト選び方!経過措置対応のおすすめソフト比較

2. マネーフォワード クラウド会計(仕訳帳ベースの柔軟な税区分設定)

マネーフォワード クラウド会計は、従来の振替伝票形式や仕訳帳の形式でサクサク入力したい経理経験者に絶大な人気を誇ります。

  • 経理担当者向けの柔軟な税区分:経過措置用の税区分として「インボイス控除80%(仕入)」「インボイス控除70%(仕入)」などが独立した税コードとして詳細に設定されています。仕訳辞書や仕訳ルールの学習機能が強力で、一度パターンを登録しておけば、同種の取引に対して自動で正しい税区分を充当してくれます。
  • API連携と周辺ツールの充実度:銀行口座やクレジットカード、各種決済サービスとのAPI連携スピードと安定性に定評があります。「マネーフォワード クラウドBOX」により、電帳法対応のファイル保管も無料枠から利用可能です。
  • メリット:給与計算や経費精算、請求書発行などのバックオフィスツールとの連携が非常に滑らかで、企業の成長に合わせて機能を追加していくことが容易です。
  • デメリット:機能が多岐にわたるため、初心者にとっては初期設定画面やメニューが多く、どのプランを選べばよいか迷いやすい点があります。
  • ターゲット:中堅中小企業、社内に簿記知識のある専任の経理担当者がいる企業、既存の複式簿記フローを崩さずにクラウドへ移行したい企業。

マネーフォワード クラウド会計を無料で試す
インボイス対応の会計ソフト選び方!経過措置対応のおすすめソフト比較

3. 弥生会計 Next(圧倒的な低コストと初心者向けの操作性)

長年PCインストール型ソフトで圧倒的シェアを誇ってきた弥生が、完全Webベースの次世代クラウドとして展開しているのが「弥生会計 Next」です。

  • 「スマート取引取込」による高いOCR精度:領収書やレシートの画像を読み取り、登録番号をチェックする機能の識字率が優れています。PC操作や簿記の知識が浅い方でも、画面の指示に従うだけでインボイスの要件を満たした仕訳が完成します。
  • コストパフォーマンス:弥生ならではの初年度優待キャンペーンなどが頻繁に行われており、新規でクラウド会計を導入する中小企業や個人事業主にとって、初期コストを大きく抑えてインボイス対応できる点がメリットです。
  • メリット:サポート体制が非常に手厚く、操作方法だけでなく仕訳の仕方やインボイス制度の実務的な質問にも答えてくれるプランが用意されています。
  • デメリット:完全クラウド版である「Next」は比較的新しいサービスであるため、歴史あるインストール型の弥生会計と比較すると、一部の細かいカスタマイズ機能や帳票出力オプションが現在開発途上の部分もあります。
  • ターゲット:初めて会計ソフトを導入する個人事業主や中小企業、元々インストール型の弥生会計を使っていてクラウド移行を検討している企業、手厚い実務サポートを受けたい初心者。

弥生会計 Next を無料で試す →
インボイス対応の会計ソフト選び方!経過措置対応のおすすめソフト比較

2026年10月「経過措置70%への引き下げ」の実務影響と経理の対応策

インボイス制度における免税事業者からの仕入れに対する経過措置は、実務上大きな負担となるポイントです。特に2026年10月1日の切り替え時期に向けて、以下の実務影響と対策を頭に入れておく必要があります。

実質的な税負担の増加

これまで(制度開始から3年間)は、免税事業者からの仕入れであっても消費税の80%分を仕入税額控除できていましたが、2026年10月1日以降は70%しか控除できなくなります。これは、免税事業者との取引が多い企業にとって、実質的な納税額(消費税)の負担増を意味します。事前に会計ソフトで免税事業者取引のボリュームを集計・分析し、影響額を把握しておくことが重要です。

仕訳ミスの急増リスク

2026年10月1日前後にまたがる取引(例えば、9月検収・10月支払の取引や、9月分の請求書が10月に届いたケースなど)において、80%と70%のどちらの税区分を適用すべきか迷うケースが多発します。基準となるのは「取引が発生した日(課税仕入れの日)」です。支払日ではありません。手動で処理していると、切り替え直後の数ヶ月間は入力ミスが多発し、決算時の監査等で修正を余儀なくされる可能性が高まります。

会計ソフトでの具体的な対策

クラウド会計ソフト側では、この日付判定を自動で行うアルゴリズムが実装されています。ソフトを常に最新の状態(クラウド型であれば自動アップデート)に保ち、取引日の設定を徹底することが対策となります。また、仕訳ルールの「日付による自動税区分切り替え」が正しく有効化されているかを設定画面で確認してください。

インボイス対応で会計ソフトを導入・移行する手順

インボイス制度および電帳法に対応し、業務をスムーズにデジタル化するための導入・移行手順は以下の通りです。

STEP 1:自社の課税形式と取引先の整理

まず、自社が「本則課税(原則課税)」か「簡易課税」かを確認します。簡易課税制度を選択している場合、仕入側のインボイス保存や経過措置の判定は納税額に影響しません(売上高のみをベースに消費税を計算するため)。この場合は、会計ソフト側のインボイス対応も売上請求書の発行側がメインになり、入力作業は大幅に簡略化されます。本則課税の場合は、取引先を「適格請求書発行事業者」と「免税事業者(経過措置対象)」に区分して管理する必要があります。

STEP 2:アカウント開設と取引先マスタの整備

選択した会計ソフトのアカウントを開設後、頻繁に取引が発生する主要な仕入先・経費の支払先について、適格請求書発行事業者の登録番号をマスタデータとしてインポート、または入力します。クラウド会計ソフトの自動照合機能を利用し、マスタデータの登録番号が現在も有効であることを検証しておきます。

STEP 3:各種データ連携と実務フローの確立

銀行口座やクレジットカード、電子マネー等の同期設定を行います。さらに、領収書や請求書をどのように収集し、どの段階でスキャン・アップロードするかの実務フロー(経理ルーティン)を定義します。例えば「毎週金曜日に、受け取った領収書をスマホアプリからスキャンしてクラウドストレージへ保存する」といった運用ルールを決めておくことで、月次決算の早期化と電帳法要件のクリアが同時に行えます。

経過措置の移行に向けた経理

2026年10月の「70%控除への移行」に先立ち、経理部門が実施すべき具体的なアクションプランをまとめました。

実施時期 具体的な作業内容
3ヶ月前まで 取引先マスタの総点検 免税事業者の取引先リストを抽出し、現在の登録状況(適格事業者になっていないか)を国税庁API等で再確認。
2ヶ月前まで 税負担増加額のシミュレーション 免税事業者からの仕入れ額に基づき、80%から70%へ移行した際の影響度(消費税の増税額)を試算し、経営陣へ報告。
1ヶ月前まで 会計ソフトの設定確認 日付に基づく自動判定機能や仕訳ルールが、2026年10月1日以降の仕入分に対して「控除70%」を適用するよう正しく設定されているか確認。
切り替え当月 取引日の入力徹底 請求書の「納品日・サービス提供日」が9月中か10月以降かを厳密にチェックし、仕訳の取引日付を正確に入力。

まとめ:自社の事業規模と実務フローに合わせた会計ソフト選びを

インボイス制度と2026年10月の経過措置70%への引き下げへの対応は、経理の実務フローに大きな影響を与えます。手動入力による仕訳ミスのリスクや、登録番号の検証にかかる膨大な時間を考慮すると、自動判定・自動検証機能を備えたクラウド会計ソフトの導入は必須の選択肢と言えます。

  • freee会計:経理初心者や、登録番号・経過措置の自動処理を重視する企業に最適
  • マネーフォワード クラウド会計:仕訳帳ベースで効率的に入力を行いたい経理経験者や、他社システムとの連携を重視する企業に最適
  • 弥生会計 Next:長年の信頼性と、高いOCR識字精度、初年度キャンペーン等のコストパフォーマンスを重視する企業に最適

自社の経理担当者のスキルセットや、既存の実務フローとの親和性を考慮して、最適な会計ソフトを選定してください。

※ 各種クラウド会計ソフトの料金体系や機能仕様は、プランやキャンペーンによって変動する場合があります。最新の情報は、各公式サイトにてご確認ください。

インボイス制度対応の会計ソフトに関するよくある質問(FAQ)

Q1: 免税事業者からの請求書はどのように仕訳すればよいですか?

2026年9月30日までは仕入税額相当額の80%が控除可能で、2026年10月1日以降は70%控除となります。会計ソフト側で取引日を入力すると、自動的に「控除80%」または「控除70%」の税区分が選択されるソフトを利用すると実務上のミスを防げます。

Q2: 簡易課税制度を選択している場合も、経過措置の判定は必要ですか?

いいえ、簡易課税制度を適用している場合は、売上高に対するみなし仕入率を用いて消費税額を計算するため、個々の仕入れについて適格請求書か免税事業者からの仕入れかを区別して仕訳判定する必要はありません。

Q3: 適格請求書発行事業者の登録番号は毎回手動で国税庁サイトに確認しに行く必要がありますか?

クラウド会計ソフトの多く(freeeやマネーフォワードなど)は、OCR機能や取引先マスタに入力された登録番号を基に、国税庁のAPIと自動で連携して有効性を確認する機能を備えています。手動での確認作業は不要です。請求書を発行する側のツール選定は請求書発行ソフト比較に分けてまとめている。freee の実務での使い勝手はfreee会計の評判と口コミ、保存要件は電子帳簿保存法の中小企業対応を参照してほしい。

あわせて読みたい


【記事情報】
・監修:本記事は税理士等の有資格者による監修を受けていません。
・免責事項:本記事は公開・更新時点の公表情報に基づき執筆していますが、個別の税務判断については管轄税務署または担当税理士へご相談ください。各サービスの料金・機能の最新情報は各公式サイトをご確認ください。

1. 自社の条件で候補を絞る
年間の仕訳件数
会計ソフトを触る人数
会計事務所側の環境
第1候補:マネーフォワード クラウド会計(スモールビジネス)年額の低い順:MF クラウド会計 スモールビジネス 53,760円/freee会計 ひとり法人 59,760円(利用者2名分の追加を含む)/弥生会計 Next エントリー 34,800円。 外れた製品:勘定奉行iクラウド(この人数まで利用者を増やせるプランが台帳にない)。 条件:年500〜3,000仕訳/利用者2〜3名/会計事務所の環境はクラウド会計。 金額は2026-08-12時点の各社公表料金に基づく試算で、税の扱いと従量課金の有無は製品ごとに異なります。根拠の数値を見る ↓