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2割特例の最後の課税期間は決算月で違う|経理が先に直す3つの設定

2割特例が使えるのは令和8年9月30日を含む課税期間まで。9月決算は2026年9月30日、個人事業者は12月31日、3月決算法人は2027年3月31日が最後だ。freee・マネーフォワード・弥生の税区分と課税方式の設定箇所、届出期限を整理した。

更新2026-09-27出典3件(本文中のリンク)監修なし
個人事業主公開 2026年8月25日更新 2026年9月27日読了 約17分

2割特例が使えるのは令和8年9月30日を含む課税期間までで、終わる日は決算月ごとに違います。12月決算と個人事業者は2026年12月31日、3月決算法人は2027年3月31日が最後です。経理が先に直すのは3か所 — 仕入側の経過措置税区分を70%へ、自社の課税方式を次の形へ、簡易課税を使うなら届出の期限までに手を打つことです。

控除割合は仕入れた日で切り替わり、2割特例は課税期間の末日まで残る

令和8年度税制改正で、インボイス制度の数字が2か所同時に動きます。買い手側では、免税事業者などインボイス発行事業者以外からの課税仕入れについて、控除できる割合が80%から70%へ下がります。売り手側では、免税事業者から課税事業者になった小規模事業者が使ってきた2割特例が終わります。

この2つは起点が違います。控除割合は課税仕入れを行った日で切り替わるので、2026年10月1日以後の仕入れから70%です。2割特例は課税期間単位なので、令和8年9月30日を含む課税期間の末日まで使えます。同じ「2026年10月」でも、片方は日付で、もう片方は期でしか動きません。ここを揃えて考えると必ず取り違えます。

〜2026-0980%
2026-10〜70%
2028-10〜50%
2030-10〜30%
2031-10〜0%

国税庁の令和8年度税制改正特集は、経過措置の適用期限を2年延長したうえで控除可能割合を7割・5割・3割へ見直し、最終日を令和13年9月30日としています。改正前は令和8年10月から3年間50%で、その後は控除不可でした。延長された分だけ、免税事業者との取引を続ける会社には猶予が増えた形です。

2割特例の最後の課税期間は決算月から機械的に決まります。9月決算だけが2026年9月30日でちょうど終わり、10月決算から8月決算までは2027年にずれ込みます。個人事業者は暦年なので2026年12月31日です。

決算月 2割特例が使える最後の課税期間 最終日
9月決算 令和7年10月1日〜令和8年9月30日 2026-09-30
12月決算・個人事業者 令和8年1月1日〜令和8年12月31日 2026-12-31
3月決算 令和8年4月1日〜令和9年3月31日 2027-03-31
8月決算 令和8年9月1日〜令和9年8月31日 2027-08-31

決算月ごとの期間はfreee公式ヘルプ「インボイス制度における特例」の一覧とも一致します。控除率が下がっていくスケジュールだけを追いたいなら、姉妹サイト税制ナビの控除率スケジュールが年別に並べています。

freee会計は課税方式の欄と申告側のチェックを別々に触る

freee会計で2割特例を使っていた事業所は、設定が2か所に分かれています。会計側の課税方式(一般課税か簡易課税か)と、申告側の2割特例の適用チェックです。2割特例のあいだは会計側の課税方式がどちらでも申告できたため、実態と設定が食い違ったまま運用していても表面化しませんでした。特例が外れた瞬間に、会計側の課税方式がそのまま申告の計算方法になります。

制度要件 freee会計の設定項目(画面名)
課税方式を2割特例の次の形へ切り替える [その他設定]→[事業所の詳細設定]の「消費税の設定」で課税方式を選ぶ。2割特例のあいだは一般課税・簡易課税のどちらでも申告できたため、ここが実態と合っていない事業所がある
簡易課税に移る場合の事業区分 同じ画面の「簡易課税用事業区分」。あわせて「今年度中に登録した取引の税区分を一括更新」「勘定科目の税区分を一括更新」「税区分の『使用』を一括更新」の3つのチェックボックスで既存データを揃える
2割特例の適用をやめる freee申告消費税の[基本情報]メニュー →[申告情報]タブ。2割特例の[適用する]チェックを外す
仕入側を70%控除の税区分にする 税区分「課対仕入(控70)10%」「課対仕入(控70)8%(軽)」を使用可能にする。80%期間用は「課対仕入(控80)10%」で、税区分名そのものが期間ごとに分かれている

80%と70%が混在する期は、税区分を選び直さないと切り替わらない

freee会計は経過措置の控除割合を1つの税区分の属性として持たず、期間ごとに別の税区分名を用意する作りです。そのため80%と70%が混在する期をまたぐ入力では、税区分を選び直さないと自動では切り替わりません。公式ヘルプ「消費税・税区分の設定を行う」が記帳パターンを18通りの表で列挙していることからも、選択の手数は減らせない設計だと分かります。

70%期間の仕訳は、控除できない30%分が費用の税抜金額へ乗ります。公式ヘルプ「消費税の仕入税額控除の経過措置について」の例では、税込110,000円の仕入れが「仕入高103,000/仮払消費税等7,000」になります。80%期間の「仕入高102,000/仮払消費税等8,000」と比べると、同じ請求書でも損益に載る金額が1,000円動きます。予算実績の比較表を持っている会社は、10月以降の仕入高が理由なく膨らんだように見えるので、先に説明を用意しておくと問い合わせが減ります。freee会計そのものの入力の癖は経理経験者がつまずく5点と回避設定に整理しています。

マネーフォワード クラウド会計は「適格」チェックがプルダウンへ変わった

制度要件 マネーフォワード クラウドの設定項目(画面名)
課税形式を確認する [各種設定]→[事業者]画面の「課税形式」。免税事業者以外に設定されていないと、インボイス関連の欄そのものが出ない
控除割合を自動で入れる 同じ[事業者]画面の「インボイス経過措置の自動入力補完」にチェック。取引先の登録番号の履歴情報(期間)を見て控除割合が自動反映される
仕訳入力時に控除割合を選ぶ 各入力画面の「インボイス」欄。従来の「適格」チェックボックスが廃止され、「適格」「80%」「70%」「50%」「30%」「控除なし」のプルダウンになった。連携サービスから入力・AI-OCRから入力・振替伝票入力・簡単入力が対象
取引先の登録番号を持たせる [取引先]画面で登録番号を入力。ここが空だと自動判定が働かず、経過措置の対象かどうかを1件ずつ人が決めることになる

プルダウンへの変更は「令和8年度税制改正への対応に向けた仕様変更について」が告知し、設定手順は「インボイス制度に対応するために必要な設定・操作について」が扱っています。

クラウド経費は8月6日より前に作った10月以降の明細が書き換わらない

クラウド経費のお知らせによると、70%控除に対応したのは2026年8月6日です。リリース前に作成済みの2026年10月以降の日付の明細は自動では書き換わらず、管理者や申請の承認者がインボイス経過措置を編集するよう求めています。税区分コードを自社で設定している場合は、追加された「70%控除」行のコードを別途登録し直すことになります。先回りして10月以降の経費申請を作っていた会社ほど、手で直す件数が増える形です。

仕訳辞書と自動仕訳ルールは、従来の「適格」チェックの状態に応じて「適格」「適格以外」へ自動で振り替えられます。移行そのものは自動ですが、振り替わった先は控除割合ではなく2値です。免税事業者からの定期的な支払いをルール化していた場合、10月以降にそのルールが吐く仕訳の控除割合を1本ずつ見ておく価値があります。使い勝手の前提差はマネーフォワードクラウド会計が合わない人の条件で扱っています。

弥生会計は27で70%に対応、3割特例の対応時期は未定

弥生は改正への対応を2本立てで告知しています。仕入税額控除70%への引き下げは『弥生会計(やよいの青色申告) 27』で提供し、3割特例への移行は時期を明示していません。デスクトップ製品はバージョンを上げないと機能が入らないため、クラウド2社とは移行の段取りが違います。年間サポート契約の有無で更新のタイミングが変わる点も、10月までに確かめる項目に入ります。告知の本文は弥生公式サポート「インボイス制度の経過措置見直し(仕入税額控除70%、3割特例への移行)について」にあります。

制度要件 弥生会計の設定項目・対応状況
仕入税額控除70%への引き下げ 『弥生会計(やよいの青色申告) 27』で提供。法人・個人事業者とも対象
2割特例から3割特例への移行 公式告知は「対応時期は未定ですが、業務に支障が出ないタイミングで対応」とだけ書いている。個人事業者のみが対象で、法人は対象外
インボイス関連の入力欄を出す 会計期間の期首日が2022年10月2日以降で、消費税設定の事業者区分が課税・課税方式が本則課税のときに「請求書区分」「仕入税額控除」の欄が表示される
簡易課税へ移る 消費税設定の課税方式を変更する。本則課税の前提で出ていた入力欄は、簡易課税に変えると表示条件から外れる

3割特例の対応版が読めないので、申告直前まで待つ運用になる

3割特例に対応する時期が公表されていないため、いつのバージョンで申告書に反映されるかを逆算した計画が立てられません。個人事業者が3割特例を初めて使うのは令和9年分、申告は2028年です。時間の余裕は大きいものの、「未定」の状態が続くかぎり、その年の申告直前まで対応版を待つ運用になります。クラウド2社が改正の告知と同じ月に画面へ反映しているのと比べると、確認の頻度を上げておく必要がある箇所です。

3社に共通して残る空白は、期をまたぐ取引の日付判定

3社の公式ヘルプを並べると、共通の空白が1つ残ります。期をまたぐ取引の判定がソフト側では完結しないところです。控除割合は課税仕入れを行った日で決まるので、2026年9月に検収して10月に請求書が届いた取引は80%側に入ります。会計ソフトが自動で見るのは伝票の日付であって、資産の引渡しや役務の提供が終わった日ではありません。9月末から10月初にかけての取引だけは、日付の出どころを人が見る前提で組んでおくのが安全です。仕入側の税区分で見る項目はインボイス経過措置70%への切替で確認する5項目に分けて書いています。

課税方式の切替画面を無料トライアルの事業所で先に開く →

2割特例から3割特例へ動く分は、どの規模でも売上の1%

納付額の差は、標準税率10%のみの課税売上を前提に置くと次のようになります。

課税売上高(税抜) 2割特例の納付 3割特例の納付 差額(年)
3,000,000円 60,000円 90,000円 +30,000円
5,000,000円 100,000円 150,000円 +50,000円
8,000,000円 160,000円 240,000円 +80,000円
10,000,000円 200,000円 300,000円 +100,000円

前提: 売上はすべて標準税率10%の課税売上(税抜)で、軽減税率・貸倒れ・返還等対価・中間納付は考慮していません。算式は、課税標準額(千円未満切捨て) × 7.8% × (1 − 控除割合) を百円未満切捨て、地方消費税は同額 × 22/78 を百円未満切捨て。基準日は2026年8月25日です。

2割特例は売上に係る消費税額の2割、3割特例は3割を納付します。消費税率10%の内訳と端数処理は国税通則法第118条第1項・第119条第1項によります。公式サイトに同じ表はありません。

差額は課税売上高に正比例します。2割から3割へ動く分は、どの規模でも売上に係る消費税額のちょうど10%です。年商が変わっても比率は動かないので、「うちの規模ならまだ影響が小さい」という読み方は成立しません。増える金額は年商の1%で、課税売上高1,000万円なら年10万円です。

そして法人には3割特例の受け皿がありません。個人事業者は令和9年分・令和10年分の2年間だけ3割特例へ移り、その後に一般課税か簡易課税へ入ります。法人は2割特例が終わった翌課税期間から、いきなり一般課税か簡易課税で申告します。同じ年商・同じ業種でも、法人と個人で移行の段数が1つ違います。

納付が増えると、翌課税期間から中間申告が始まる帯がある

納付税額の増加は資金繰りの話だけで終わりません。中間申告の要否は直前の課税期間の確定消費税額で決まり、48万円を超えると年1回の中間申告が必要になります。この48万円は国税分だけの金額で、地方消費税は含みません。控除割合が下がれば同じ売上でも国税が増えるので、中間申告が始まる売上のラインも一緒に下がります。

直前の課税期間の申告方法 中間申告が始まる課税売上高 そのときの国税
2割特例 30,776,000円 480,100円
3割特例 20,518,000円 480,100円
簡易課税 第5種 12,311,000円 480,100円
簡易課税 第6種 10,259,000円 480,100円

算式は、差引税額(国税)が480,000円を超える最小の課税売上高を千円刻みで探索したもの。中間申告は直前の課税期間の確定消費税額が48万円超で年1回(地方消費税額は含みません)で、根拠は国税庁タックスアンサー No.6609「中間申告の方法」(令和7年4月1日現在法令等)と消法42です。

特例の適用要件は基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなので、この帯に入るのは「2年前は1,000万円以下だったが、直近で売上が伸びた」事業者です。2割特例のままなら3,000万円台後半まで中間申告は来ませんが、3割特例では2,000万円台前半で来ます。1,000万円ぶん近く前倒しになる計算です。翌課税期間に納付が2回に分かれることを知らずにいると、資金繰り表の作り直しが期の途中で発生します。

個人と法人で、移行の段数と時期が違う

個人事業者は令和8年分と令和9年分で申告書の作り方が変わる

暦年なので、2割特例の最終年は令和8年分です。2027年3月に出す申告書までは、確定申告書へ2割特例の適用を受ける旨を付記する従来どおりの形になります。事前の届出は要りません。会計ソフト側でも、この年までは課税方式の設定を触らずに済みます。

令和9年分から3割特例の対象です。要件は個人事業者であること、基準期間(令和9年分なら令和7年、令和10年分なら令和8年)の課税売上高が1,000万円以下であること、インボイス発行事業者の登録を受けていることの3つ。基準期間の判定年が2年前である点は2割特例と同じなので、令和7年の課税売上高がすでに確定している事業者は、令和9年分に3割特例を使えるかどうかをいま判定できます。

2026年10月から12月のあいだに開業した個人事業者は、期間の短さで損をしません。この場合の課税期間は令和8年1月1日から12月31日までとみなされるため、実際の事業期間が3か月でも令和8年分として2割特例を使えます。freeeの公式ヘルプがこの扱いを明記しています。年末に近い開業ほど「もう間に合わない」と思われがちな箇所です。

一般課税へ移る場合は、申告書の作り方そのものが変わります。2割特例と簡易課税は売上に係る消費税額だけで納付が決まりますが、一般課税では支払った消費税額の集計が要ります。免税事業者からの仕入れがあれば経過措置の税区分で分けて記帳し、インボイスの保存も要件になります。帳簿の運用が増える側への移行なので、切り替える期の期首から記帳のルールを決めておかないと、期末にまとめて拾い直すことになります。

令和11年分からは3割特例も無くなります。そこで簡易課税に移る場合、届出の期限に特例があります。原則は適用を受けようとする課税期間の初日の前日までですが、2割特例・3割特例の適用を受けた翌課税期間に限り、その課税期間の申告期限までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を出せば間に合います。令和10年分に3割特例を使った個人事業者なら、令和11年分から簡易課税に移るための届出書は2028年ではなく2029年の申告期限、つまり令和12年4月1日までに出せば足ります。

法人は決算月ごとに移行の期がずれる

法人の最終適用期は決算月で決まります。9月決算は令和8年9月期で終わり、翌期(令和8年10月〜令和9年9月)から一般課税か簡易課税です。3月決算は令和9年3月期まで2割特例を使い、令和10年3月期から切り替わります。同じ改正でも、実際に申告書の形が変わる期は最大11か月ずれます。

簡易課税を選ぶ場合の届出の緩和は法人にも適用されます。3月決算法人が令和9年3月期に2割特例を使ったなら、令和10年3月期から簡易課税を適用するための届出書は、令和10年3月期の申告期限である2027年5月31日までに出せば足ります。申告期限の延長特例を受けている法人は、延長後の期限が届出の期限になります。

期首をまたいで課税方式が変わるので、会計ソフト側では新年度の設定を作る段階で課税方式を選び直します。前期のデータを繰り越すだけでは、課税方式は前期の値のまま残ります。この取り違えを期中に見つけると税区分を遡って直すことになるので、手順は期中・期末後にとる税区分の修正手順にまとめてあります。

税区分の追加はこの先も続きます。令和9年4月1日からは飲食料品の税率を8%から1%へ引き下げる大綱が閣議決定されており(関連法案の成立が前提)、10%・8%・1%の3税率に備える改修項目は飲食料品の消費税1%対応にまとめています。

事業区分によって、簡易課税と3割特例の大小が入れ替わる

3割特例は納付が売上税額の30%で固定です。簡易課税は事業区分ごとのみなし仕入率で決まるので、納付は売上税額の(1 − みなし仕入率)になります。両者が一致するのはみなし仕入率70%、つまり第3種事業のときです。どちらも売上税額に一定の率を掛ける形なので、売上が増えても減っても比率の関係は動きません。差を決めているのは規模ではなく事業区分だけです。

事業区分 みなし仕入率 簡易課税の納付 3割特例の納付 差額
第1種(卸売業) 90% 80,000円 240,000円 -160,000円
第2種(小売業・飲食料品の譲渡に係る農林漁業) 80% 160,000円 240,000円 -80,000円
第3種(製造業・建設業など) 70% 240,000円 240,000円 0円
第4種(飲食店業など上記以外) 60% 320,000円 240,000円 +80,000円
第5種(サービス業・運輸通信業・金融保険業) 50% 400,000円 240,000円 +160,000円
第6種(不動産業) 40% 480,000円 240,000円 +240,000円

算式は、課税売上高8,000,000円(税抜)・課税標準額 × 7.8% × (1 − みなし仕入率) を百円未満切捨て、地方消費税は同額 × 22/78。みなし仕入率は第1種90%・第2種80%・第3種70%・第4種60%・第5種50%・第6種40%です。簡易課税は基準期間の課税売上高5,000万円以下が要件で、選択後は原則2年間の継続適用になります。

第1種・第2種は差が大きく開く

卸売業と小売業はみなし仕入率が高く、事業区分の判定さえ通れば簡易課税の納付が小さく出ます。課税売上高800万円の第1種で見ると、簡易課税8万円に対して3割特例24万円で、3倍の開きがあります。ただし簡易課税には事前の届出と2年間の継続適用が付くので、届出を出した年に大きな設備投資が入ると一般課税の還付を取れなくなります。金額の大小だけで決められる話ではありません。

第5種・第6種は逆向きに開く

サービス業と不動産業はみなし仕入率が低いため、簡易課税の納付が大きくなります。第6種の課税売上高800万円なら、簡易課税48万円に対して3割特例24万円で倍の差です。個人事業者が3割特例を使える令和9年分・令和10年分に限れば、この2区分は差が大きい帯に入ります。法人にはこの選択肢自体が無いため、同じ業種でも法人と個人で見える景色が違います。

決算月から逆算して置く作業と期限

  • 仕入側の経過措置税区分を70%側へ切り替え、10月以降の日付で先行入力済みの取引・経費申請を洗い出す〜2026-09-30 / 経理担当
  • 9月末から10月初の取引について、伝票日付と引渡し・役務提供の日がずれていないかを見る〜2026-10-10 / 経理担当
  • 自社の2割特例の最終課税期間を決算月から確定し、翌課税期間の課税方式を決める最終課税期間の末日まで / 経理担当・代表
  • 簡易課税を使うなら、事業区分の判定と「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出期限を押さえる翌課税期間の申告期限まで / 代表・顧問税理士
  • 会計ソフトの課税方式・事業区分・税区分の使用設定を新年度データで開き直す新年度データ作成時 / 経理担当
  • 個人事業者は基準期間の課税売上高が1,000万円以下かを見て、3割特例の対象かを判定する令和9年分の申告前 / 経理担当

10月より前に設定を触らなくてよい事業者

  • 簡易課税または2割特例で申告している事業者 — 仕入税額控除の経過措置は一般課税の事業者にしか関係しません。売上に係る消費税額から納付を計算するため、仕入側の税区分をいくら整えても申告書の数字は変わりません
  • 免税事業者からの仕入れが年間を通して発生しない事業者 — 取引先が全員インボイス発行事業者なら、70%の税区分は使う場面がありません。取引先マスタの登録番号を埋める作業のほうが先です
  • 9月決算で、翌期の課税方式をすでに決めている法人 — 最終課税期間が2026年9月30日で切れるため、10月以降の期は最初から新しい課税方式で始まります。期中に設定を切り替える作業自体が発生しません
  • 弥生会計で3割特例だけを待っている個人事業者 — 対応時期が公表されていないので、いま画面を探しても該当の設定は出てきません。仕入税額控除70%の対応と3割特例の対応は別のタイミングです

9月決算だけが2026年9月で終わり、法人に3割特例は無い

2割特例は2026年9月で終わりではないのですか

令和8年9月30日を「含む課税期間」までなので、9月決算法人だけが2026年9月30日で終わります。12月決算と個人事業者は2026年12月31日、3月決算法人は2027年3月31日まで使えます。一方で仕入税額控除の経過措置は課税仕入れを行った日で切り替わるため、2026年10月1日以後の仕入れは決算月に関係なく70%です。

法人でも3割特例は使えますか

使えません。国税庁の令和8年度税制改正特集は、3割特例の対象を「インボイス発行事業者の登録を受けたことにより免税事業者から課税事業者となった個人事業者」と限定し、対象年分を令和9年分・令和10年分としています。法人は2割特例の最終課税期間が終わった翌課税期間から、一般課税または簡易課税で申告します。

簡易課税の届出は課税期間が始まる前に出さないと間に合いませんか

2割特例・3割特例の適用を受けた翌課税期間に限って期限が緩められています。その課税期間の申告期限までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を出せば、その課税期間から簡易課税を適用できます。ただし2割特例を受けた課税期間の翌課税期間が令和8年9月30日以前に終了する場合は、その課税期間の末日までです。申告期限の延長特例を受けている法人は、延長後の期限が届出の期限になります。

3社の設定画面を並べて確かめたい場合は、会計ソフトそのものの選び直しも同時に論点になります。料金と実務負荷を同じ条件で並べたクラウド会計ソフトの比較を置いてあります。

インボイス欄のプルダウン仕様を公式サイトで確認する →

原典 版 確認
国税庁「令和8年度税制改正特集」 令和8年度改正後 2026-08-25
国税庁タックスアンサー No.6609「中間申告の方法」 令和7年4月1日現在法令等 2026-08-25
e-Gov法令検索 国税通則法第118条第1項・第119条第1項、消法42 — 2026-08-25
freee公式ヘルプ「消費税・税区分の設定を行う」 最終更新2026年8月20日 2026-08-25
freee公式ヘルプ「消費税の仕入税額控除の経過措置について」 — 2026-08-25
freee公式ヘルプ「インボイス制度における特例」 — 2026-08-25
マネーフォワード クラウド会計「令和8年度税制改正への対応に向けた仕様変更について」 — 2026-08-25
同「インボイス制度に対応するために必要な設定・操作について」 — 2026-08-25
クラウド経費「インボイス経過措置の『70%控除』への対応について」 — 2026-08-25
弥生公式サポート「インボイス制度の経過措置見直し(仕入税額控除70%、3割特例への移行)について」 — 2026-08-25

【記事情報】

・監修: 本記事は税理士等の有資格者による監修を受けていません。

・免責事項: 本記事は公開・更新時点の公表情報に基づき執筆していますが、個別の税務判断については管轄税務署または担当税理士へご相談ください。各サービスの料金・機能の最新情報は各公式サイトをご確認ください。

・出典: 上の原典対応表のとおりです。

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